創作小説をまったりと更新予定。BL中心のため苦手な方の閲覧はご遠慮ください。
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最近は毎週更新できていますね、こんにちは。
あと数回、よろしくお願いします!
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(橘先生のことはもちろん尊敬してるし、そーすけさんのことも尊敬できる大切な人だし……)
「うーんうーん」
「柳瀬くん、どうしたの? 最近よく考え事してるみたいだけど」
「あ! すいません。大丈夫です」
「ほんと? それならいいけど」
昼下がりのコンビニ。どうやらまた顔に出てしまっていたらしい。
(僕ってそんなにわかりやすいのかなぁ)
そーすけさんのお祝いをしてから2週間。
あれからずっとそーすけさんのことを考えているけれど、考えがまとまらない。
あの日言われたこと。そーすけさんの気持ち。それから――
(って、もう! 今はそのこと考えない!!)
蒼は熱くなりかけた頬を手であおぎながら、また立花のことを考え始めた。
「お疲れさまでしたー」
「お疲れー」
今日はこれから九谷さんと会う約束をしている。
先日久しぶりにメールが来て、作品の進み具合の話から会うということになった。
駅近くのカフェに入ると、九谷はすでに来ていた。
「やあ! 久しぶり!」
「お待たせしました」
席に座ってコーヒーを注文すると、作り置きなのかコーヒーはすぐに運ばれてきた。
「電話の日以来だね。元気だった?」
「あ、はい……」
いきなりの話題に動揺しつつ、気づかれないようにとりあえず返事はしてみたものの、やはり声に表れていたのだろうか。
「その話はあとで」と一言返されてから、当初の目的である小説の進み具合の話になった。
「それで、最近はどう? 順調に進んでる?」
「それが、あまり上手く進まなくて。考えても、話の世界に入りきれないというか……」
「うーん。それはやっぱりあの日のせいなのかな?」
「え!! えーっと」
「やっぱりそうか。それじゃあ、そっちを先に話そうか。そうしないと、いつまでたっても進まなさそうだしね」
「すいません」と頭を下げてから、蒼は気になっていたことを聞いた。
「ところで、九谷さんは最近そーすけさんに会いましたか?」
「え!! えーっと、そうだね、うん。会ったには会ったけど……」
(ここは蒼介の名誉のために黙っておいた方がいいよな)
「じゃ、じゃああの電話の後のことは聞いたんですよね?」
「いや。会ったというか、正確には『見た』だな。話せる状態じゃなかったから。何があったかは、まったく聞いてないんだよ」
話せる状態じゃなかったという言葉が気にはなったものの、蒼はそれ以上に九谷へどうやって話すか考えることで、すぐに頭がいっぱいになった。
「それで、何があったんだい? 二人とも様子がおかしいからさ。ん? お兄さんに話してみな?」
「えーっと、実は……」
それから蒼はあの電話の後の会話や何があったのか、一部をはぐらかしながら伝わるようにと考えながら話した。
「なるほどねー、だから蒼介があんな状態だったのか。で、蒼くんはどうしたらいいのか分からなくて悩んでると」
「はい。考えがまとまらなくて……」
「そっか。 でも、俺はそんなに深刻になるようなことじゃないと思うけど。あいつも、橘龍介に嫉妬してる自分に呆れてるだけだろうし。それより、あいつに好きって言われて嫌だった?」
「うーん」
立花に言われた言葉を思い返してみる。
驚いたのは事実だ。
それでも嫌ではなかったし、気持ち悪いとも思わなかった。
(むしろ…………)
「九谷さん!! ありがとうございます!!」
「うん、自分の素直な気持ちをぶつければ、きっと蒼介に伝わるよ」
「はい!!」
そう言うと、蒼は鞄をつかんで駈け出した。
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