創作小説をまったりと更新予定。BL中心のため苦手な方の閲覧はご遠慮ください。
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こんばんは★
今日も無事に更新できました!!
そしてそして!
なんと、今回合わせてあと2回で終わりです~
そして、最終話? 更新は本日23時に行う予定です!
それでは実質最終話、お楽しみください!!
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・
(何も考えずに来ちゃったけど、そーすけさんいるかな……)
不安に思いながらインターホンを鳴らすと、しばらくして返答があった。
「あ、あの。お久しぶりです。柳瀬です」
「あ、蒼くん!? どうしたの突然! ちょっと待って、今開けるから」
バタバタと音がした後、マイクが切れて横の自動ドアが開いた。
そのままエレベータに乗りこむと、行き慣れた階のボタンを押す。
エレベータを降りて扉の前に立つと、大きく深呼吸をしてインターホンを押した。
「こんにちは、どうぞ上がって」
いつもと変わらぬ笑顔で出迎えられ、気持ちが一瞬ゆるみそうになったが、「いやいや」と気持ちを奮い立たせ、もう一度深呼吸をすると一歩を踏み出した。
「お邪魔します」
「それで、今日は突然どうしたの?」
飲み物を置いて座った立花は、蒼の方を見てそう問いかけた。
「はい。今日はそーすけさんに聞いてもらいたいことがあって来ました」
蒼は深く息をつくと顔をあげた。
「この間のことです。あの日、そーすけさんに言われたことをこの2週間ずっと考えていました。本当のことを言うと、僕はそーすけさんが考えているように橘龍介とそーすけさんが同一人物とか、違うとか……そんなことを真剣に考えたことはありませんでした。そーすけさんはそーすけさんだし、橘先生は橘先生だし。でも、ああやって言われて初めて真剣に考えました」
一度言葉を切って、飲み物を口にすると蒼は再び話し始めた。
「そーすけさんと橘先生を区別していたつもりはありませんけど、もしかしたら結果的にそうなっていたかもしれません。『橘先生』としてそーすけさんと知り合ったわけじゃありませんから。でも、だからこそ僕はそーすけさんを立花蒼介としてちゃんと知ることができたと思うんです。
……おこがましいことを言ってすいません。それに何より、この前そーすけさんに言われたこと……されたこと。嫌じゃなかったです。それより、そーすけさんと会わなくなることの方が寂しいんです。
…………これが、今の僕の答えです」
最後まで言い終えると、蒼はいつの間にか下を向いていた顔を上げた。
「そーすけさん?」
「いや、うん、ちょっと待って。今きっと変な顔してるから。
でもありがとう。やっぱり蒼くんは蒼くんだね。
蒼くんがこんなに真剣に応えてくれてるのに。―――― 俺ってバカだな」
そうして立花はおもむろに立ち上がると、静かにこう言った。
「ちょっと外に出ようか」
外に出るとすでに夕暮れ時で、西の空は綺麗なオレンジ色に染まっていた。
そのまま二人は無言で歩き、行きついた先は住宅街の中によくある小さな公園だった。
少し寒くなり始めた夕暮れ時。
静かな公園のベンチに二人は腰かけた。
「今日はありがとう。突然のことで驚いたけど、蒼くんの真剣な気持ちが聞けて嬉しかったよ」
「いえ、この間のそーすけさんの言葉には、ちゃんと応えたいと思っただけですよ」
「うん、その気持ちが嬉しい。だから俺も改めて言うよ」
立花はゆっくりと立ち上がり、ベンチに座る蒼の前に蒼の目線にあわせて少しかがんだ。
「蒼くん。俺はいつの間にか、気づくといつも君のことを考えるようになってた。
君の素直でまっすぐなところに魅かれていたんだ。
ゆっくりでいい。あせらなくていいから。
――――俺とつき合ってください」
吹き抜ける風が木の葉を揺らす。
はらはらと舞い落ちる木の葉が夕日に照らされて赤く染まる中、
蒼はとびきりの笑顔で立花を見た。
「はい、よろしくお願いします!」
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