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創作小説をまったりと更新予定。BL中心のため苦手な方の閲覧はご遠慮ください。
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間に合ったー
…間に合ってないですね;
隔週更新、前回おとしちゃいました(^^ゞ

でも、ここから最後に向かって…と思ったら
もう少しじっくり書きたかったもので…というのはいい訳ですね。

それでは、31話どうぞ!!


―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・



海の近くをぶらぶらしながら話をしていると、空はだんだんオレンジ色に染まっていった。

「じゃあそろそろ行こうか。ここからは蒼くんプロデュースだね?」
「はい! 楽しみにしていてくださいね」


二人は再び車に乗り込むと、来た道を引き返し始めた。

「ところで今日はどこに行くの? どこに向かったほうがいい?」
「うーん、お酒がおいしいお店みたいなので、できればそーすけさんにも飲んでほしいんですけど……。 家から歩いて行ける距離なので、そーすけさんの家に車を置いていってもいいですか?」
「へーそんなお店近くにあったっけ? じゃあそうしようか」


車はどんどん街へと近づいていく。外はすっかり暗くなり、家に着くころには街灯が灯っていた。

「はい、到着。お疲れ様でした」
「運転ありがとうございました。 ここからは、ゆっくりくつろいで下さいね!」
「じゃあお言葉に甘えて、蒼くんに全部おまかせしようかな」
「はい! じゃあ行きましょうか」


駅とは反対方向へ十数分。
ビルの一階に入っているそのお店は、一見お客があまりいないように見えるが、扉を開けるとほぼ満席であった。
常連客も多いのか、カウンターではマスターらしき人物と親しげに話している客も見られる。

「予約していた柳瀬です」
「はい、柳瀬さまですね。 お待ちしていました。こちらへどうぞ」

案内されたのは間仕切りのある二人席だった。
丸テーブルの上には一輪挿しにブルーデージーが活けられている。
席に着くとメニューが渡された。

「今日はコース料理で予約したので、飲み物だけ好きなものを選んでくださいね」
「へー、何が出るのか楽しみだな。じゃあ飲み物はこのカクテルで」


食前酒から始まり、前菜、スープ、季節の料理、そしてメイン料理。
美味しい料理とお酒に舌鼓を打ち、会話に花が咲いた。

「あ、そういえば」

デザートとコーヒーが運ばれてくると、蒼がふと思い出したように鞄から何かを取り出した。

「会話と料理に夢中で忘れるところでした。改めまして……橘先生、ドラマ化おめでとうございます!」
「あ、はい。ありがとうございます。……なんか照れるね。これ貰っていいの?」
「はい。 これだったら使ってもらえると思って選んだんですけど」
「何だろ?開けていい?」
「はい、是非!」

長方形の箱の包みを開けると、中からしっかりした深緑の箱が出てきた。

「わー! 万年筆? すごく格好いいね! それに持ちやすい」
「橘先生……ううん。そーすけさんのイメージってそんな色かなと思ったんですけど」
「うん、すごく気にいったよ! ありがとう! これからはこれを使って仕事するよ。大切にするね」
「はい! すごく嬉しいです! 気にいってもらえて良かった」

しばらく試し書きをしていた立花は、万年筆を再び箱にしまうと鞄に入れた。


「さぁ、お腹も満たされたしこの後はどうする?」
「うーん、実は僕が考えてたのはこのお店だけなんですけど……どうしましょうか?」
「まだ時間は大丈夫? もし良ければ、これから俺の家に行かないかな? もう少し蒼くんと一緒にいたいし」
「え!! そーすけさんの家ですか!? えーっと、うん、はい。時間は大丈夫ですけど……」
「じゃあ決まりでいいかな! 今日は素敵なプレゼントをもらったことだし、そのお返しって訳でもないけど俺の家でゆっくりしていってよ」

そうと決まればと立花は席を立ち、上機嫌で店を出た。

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こんばんは!
あと1つでカウンターが500になることにさっき気づきました。
さらにオレンジジュースはすでに30話。
びっくりですね。

初めての小説で、初めての連載として上げたのは2011年1月。
途中でイベント参加なんていう無謀なことを挟みながらも
完結させようとやってきたオレンジジュース。
残すところあと数話となりました…たぶん。

残りもお楽しみいただければと思います!


―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・


「おまたせ! おはよう」
「おはようございます! 今日は一日よろしくお願いします!」

約束した10月の土曜日。
蒼を乗せた立花の車は静かに走り出し、国道へと入った。

「これからどこへ行くんですか?」
「イタリアンのお店だよ。海の近くに景色がきれいなお店を見つけてね。ランチもやってるからちょうどいいと思って」
「へー海の見えるお店ですか? 素敵ですね。楽しみです!」

窓の外を見ると天気もよく、青空が広がっている。
しばらく車を走らせると、海沿いの道へ出た。
それからさらに数十分。
海沿いの道から少し中に入ったところで車は止まった。

「はい、到着。お疲れさまでした」
「ありがとうございました。素敵なところですね!」

大きな道からは外れたところにあるそのレストランは、ご夫婦で経営されているのか自宅と一体になっていた。外観もお洒落でヨーロッパを思わせる造りである。

「景色もすごくいいから楽しみにしててね。じゃあ入ろうか」


「いらっしゃいませ」

入口の扉を開くとカランカランとベルが鳴り、中から女の人が出てきた。

「二名様ですね? 二階のお席が空いておりますが、そちらでよろしいでしょうか?」
「はい、窓側の席でお願いします」
「かしこまりました。それではどうぞ」

後ろに続いて階段を上ると、大きな窓に一番近いテーブル席へと案内された。

「すっごいですね!綺麗です……」

立花が言っていた通り、眼下には青い海、そして見渡す限りの青い空が広がっていた。

「でしょ? 前に担当さんと来たことがあってね。一度蒼くんを連れて来たいと思ってたんだ。ごはんも美味しいしね。何がいい?」
「えーっと……パスタか、ピザか……ん?これは何ですか?」
「どれどれ? あぁ、ニョッキね。ジャガイモで作った団子みたいなものかな? モチモチしてて美味しいよ」
「へー、じゃあ僕せっかくなのでこれにしてみます!」
「うん、いいと思うよ。じゃあ俺はカルボナーラにしようかな。すいません、注文お願いします」

それぞれスープとサラダの付いたセットを注文すると、改めて景色を楽しんだ。遠くの方には船が浮かんでいるのが見える。

「こんなところが近くにあったんですね! 知りませんでした」
「うん。少し車を走らせれば海には来られるよ。でもここのお店はあまり知られてないかな」
「へー、だからお客さん少ないんですね」

それから、店の近くに何があるのか、食べ終わったらどこへ行こうかと話しは弾み、気がつくと目の前のお皿は綺麗に片付いていた。

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こんばんは。
先週の予告通り更新できました!
よかった……

さて29話、さっそくどうぞ~


―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆



お互い予定を確認し合ったこともあり、8月9月は立花がコンビニへ顔を出してオレンジジュースを買い、また執筆に詰まった蒼が立花に電話をするという日々が続いた。


「いらっしゃいませ! あ、そーすけさん! こんにちは」
「やぁ、またオレンジジュースを買いに来たよ」

立花と蒼の仲の良さはコンビニ内でも知れ渡り、商品を並べていた先輩がレジにいた蒼と交替してくれた。

「もうすぐドラマが始まりますね」
「あぁ、取材も今がピークかな。もう一息と思って頑張ってるよ」
「そうですよね。最近ドラマの記事を見ると、そーすけさんのインタビューをよく見かけますから。そうそう、お祝い楽しみにしていてくださいね!」

でも今は秘密です、と蒼は楽しそうに笑った。

「うん、すごく楽しみにしてるよ。ところで、いつにしようか?」
「そうですね。せっかくだから、第一話が終わった後がいいです。感想も話せるし。たしか金曜日放送でしたよね?」

金曜9時の推理枠で放送されるはずだったと思いながらそう言うと、「そうそう」と頷きながら立花は嬉しそうに微笑んだ。

「うん、10月第1週の金曜日からだよ。じゃあ次の日はどうかな? 土曜日だし、学校はお休みだよね? アルバイトも休み?」
「10月の土曜日は……そうですね、ゼミもまだ本格的に始まってないですし、大丈夫だと思いますよ。アルバイトも入れずに、一日空けておきますね! あ……でも夕食からの計画だった」
「じゃあ昼間はドライブでもして、夕食からは蒼くんプロデュースにしようか。せっかく一日予定が空けられるなら、ゆっくりしたいしね」
「いいんですか!? その日は立花さんを労おうと思ってたんですけど……」

少し悩んだ様子の蒼に、立花はとんでもないと首をふった。

「昼はいつも通りでいいよ! 夜を楽しみにしてるから。それに、俺は蒼くんと長くいられるだけで疲れがとれるし」
「そんな! いつも僕の文章読んでもらうばっかりで……僕の方こそ、そーすけさんにはいつも助けられてますよ!」
「まーじゃあ、お互い昼間から会うことに問題はないということでいいかな? 時間はまたメールで」
「はい! 楽しみにしてますね! あ、もちろんドラマも!」

とりあえずの日程を決めた二人は、あまり長くなってはいけないと話を切り上げた。
立花がオレンジジュースを買ってコンビニから出ていくのを見送ると、蒼は品出しの仕事を始めた。
 

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