創作小説をまったりと更新予定。BL中心のため苦手な方の閲覧はご遠慮ください。
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「キャラがひとり歩きする」とはよく聞いてきましたが、
小説を書くようになって、今日初めて体験しました。
自分が予想もしていなかったシーンを二人で作り出してくれてますよ。
なんだか不思議な感じ。
でも、二人が仲良くしてるので書いてて楽しいです。
さぁ、このシーンはもう少し先のお話ですが、今日は第6話。
お楽しみください~
☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―
立花さんと約束した日から数週間。
「今日も来ないなぁ」
蒼にしては順調なペースで更新している。
しかし、あの約束が気になって落ち着かない日々を送っていた。
「柳瀬くん、もう時間だから上がっていいよー」
「はい、お先に失礼します!」
「気をつけてねー」
(今日も来なかったな……)
更衣室で手早く着替えると、飲み物を買って帰ろうと店内側の出口から外へ出た。
「柳瀬くん!」
カフェオレを手にしてレジで並んでいると、ふいに後ろから肩をたたかれた。
驚いてふり返ると、そこには少し疲れた顔の立花さんが立っていた。
「立花さん! お久しぶりです! ……お疲れですか?」
「あぁ、ちょっと締切りギリギリでね。例のオレンジジュースを切らしちゃったから、買いに来たんだよ。でもあと数日は籠るつもり」
「お疲れ様です。あと少し頑張ってくださいね」
(物書きさんってうわさ通り、締切り間際は大変なんだなぁ)
そんなことを考えながら会計をすませて店を出ると、後ろから立花さんが追いかけてきた。
「この前の約束覚えてる?今度の木曜が締切だから、金曜に食事でもしないかい? その時に約束の小説持ってきてほしいな」
「え! そんなお疲れのところ申し訳ないですよ! 他の日でも全然大丈夫なので」
口ではそう言いながらも、蒼は小説を見てもらえると考えるだけでワクワクしてきた。
「いやいや、気分転換に食事したいし。俺の都合で申し訳ないけど」
「僕は大学生ですから、わりと調整できるんで! 立花さんの都合のいい日でいいですよ」
「じゃあ、今週金曜の夕方6時にコンビニ……だと目立つから、駅前の時計前でどうだろ?」
「大丈夫です。楽しみにしてますね!」
駅前の時計を思い浮かべて、場所を確認した蒼は大きくうなずいた。
「お仕事がんばってください!」
「ありがと。じゃあまた金曜に」
(金曜までに進められるところまで、進めておこっと)
立花とわかれた蒼の足取りは自然と軽くなるのだった。
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