創作小説をまったりと更新予定。BL中心のため苦手な方の閲覧はご遠慮ください。
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こんばんは!
意外と時間がなく、週末更新ぎりぎりになってしまいました。
その代わり(?)来週末も更新できそうです!
久しぶりの連続週末更新!!……になるといいな。
今回は25話の続きからになっております。
25話から続けて読んでいただいたほうがわかりやすいかと。
それでは立花の部屋での二人の会話をお楽しみください!
―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆
それから、メールでやり取りしていた小説の続きについて話し合い、流れは自然と九谷の話題になっていった。
「ところで、悠とはあれから会ったりした?」
「あ、はい。一回だけ。この間そーすけさんに見てもらったものを、直接見てもらいました。
初めて出版社にお邪魔したんですよ!」
「へーそうなの。 どう?直接見てもらって参考になった?」
立花はそう言ってコーヒーを一口飲むと、改めて蒼の顔を見た。
「はい! 自分では気がつかないような指摘もくれますし、なにより出版社へ行けたことが嬉しかったです!」
「そっか。それなら紹介した甲斐があったな。
それより出版社に行けたことがそんなに嬉しかったの?」
蒼くんの好きそうなものが出版社にあったかなと思い出しながら、不思議に思っていると蒼が笑顔で応えた。
「はい! 出版社に入ったら、この間発売された橘先生の大きいポスターが迎えてくれたんですよ!
あ、『そーすけさんの』ですね!」
「あ、そういえば貼ってあったね。そ、そうか……ありがとう」
思わぬ返答に動揺しつつ蒼を見ると、ポスターを思い出しているのか嬉しそうな笑みを浮かべていた。
「他のポスターと比べても大きなものが貼ってあって、橘先生ってすごい人なんだなって改めて実感しましたよ。
なんか自分の中では、未だにそーすけさんと橘先生が別々の人に思えるんですよね」
「なんだか橘先生に嫉妬しちゃうな。 ま、自分なんだけど」
「え?」
「蒼くんは橘龍介が大好きでしょ? だからちょっと妬けちゃうなーって。自分に嫉妬してどうするんだって話だけど」
(何言ってんだ、俺は。感情だだ漏れ……)
今更後悔しても口から出た言葉は戻らないと項垂れていると、しばらく黙っていた蒼がポツリと呟いた。
「うーん。でも僕、そーすけさんのことも好きですよ?」
「…………ん?」
自分の願望が聞かせた幻聴かと、立花は顔を上げた。
「だから僕、そーすけさんが橘先生って知る前から、そーすけさんのことも尊敬してますし、好きですよ」
「蒼くん……いや、うん、ありがとう。俺も蒼くんのこと素直でいい子だと思ってるよ」
「えへへ。そうですか? ありがとうございます」
(蒼くんの言う“好き”っていうのは、尊敬と信頼を込めての“好き”だよな……)
立花は蒼の直接的な言葉に一瞬喜んだものの、それは自分とは違う種類のものだと思い直した。
窓の外では、相も変わらず雨が降り続いていた。
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