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創作小説をまったりと更新予定。BL中心のため苦手な方の閲覧はご遠慮ください。
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こんばんは。
今回の2週間は少し長く感じました…
が!
余裕余裕~♪ と思っていたら、まったくそんなことはなく。


今回は切りがいいところで止めると、すごく短くなってしまったので
次の区切りまで載せました。
いつもより長めになっております。
〈まだちょっと推敲が足りない感じではありますが…〉

最後までお付き合いいただけますと幸いです。



―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆



エントランスを抜けると、立花に促されてエレベーターに乗る。
エレベーターは最上階である8階で止まった。

「さぁ、どうぞ」
「お邪魔します」

緊張しながら廊下を進むと、つきあたりの扉の向こうはダイニングキッチンになっていた。
ダイニングはリビングを兼ねているためそれなりに広く、一人暮らしだという彼には充分だろう。

「好きなところに座ってて。今、飲み物を出すから。
コーヒーと紅茶どっちがいい? あ!オレンジジュースもあるよ」
「オレンジジュースって例のですね? じゃあ、ぜひそれで!」

実はまだそれを一度も飲んだことのない蒼は、どれほど美味しいのか興味があったのだ。


「お待たせ。いつもはパックから直接飲むけど、今日はお客様がいるからね」

そう言って出されたジュースは、背の低いグラスに入れられていた。
グラスに入れられているためか、オレンジが鮮やかでとても美味しそうに見える。

「いただきます! ……普通のオレンジジュースですね」
「あはは! そりゃそうでしょ。オレンジジュースだから。
でもこれを飲みながら書くと、進むんだから仕方ない」
 


「ところで、そーすけさんはどこでお仕事してるんですか?」

オレンジジュースを飲みながら一息つき、改めて部屋を見回した蒼は不思議に思って尋ねた。

「仕事部屋だよ。ここに来るまでに扉があったでしょ。行ってみる?」
「え!? いいんですか?」
「うん、でもさっき言った通り片付いてないけど」
「そーすけさんさえ良ければぜひ!」
「じゃあ少しだけ」

そう言って立ちあがった立花は、蒼を手招いた。
 


「わぁ、本だらけだ!」

案内された部屋に入るとまず、固定するタイプの大きな本棚が目に入った。
部屋の真ん中にはL字型の大きなパソコン机と椅子、そしてそのすぐ横にも資料などが並べられた本棚があった。

「片付いてなくて、お恥ずかしい。でも仕事をするにはすごく便利だよ。すぐに見たいものは手元にってね」
「それ、わかります! すぐ見たいものは近くに置いておくのが一番ですよね!」


そうやって部屋の中をぐるりと見回していた蒼は、ふとあることに気がついた。

「なんだか、橘龍介先生の本が多くないですか? ここの棚なんて、今までの全巻並んでますよね? 
もしかして好きなんですか?」

橘の大ファンである蒼は、もちろん単行本のすべてを把握している。
今まで散々話題にしてきたのだから、好きならそうと言って欲しかったと思い、少し怒った口調でそう尋ねた。



「えーっと、今まで言ってなかったんだけど……橘龍介は俺なんだ」


しばらくの沈黙の後、バツの悪そうな顔をした立花は頭をかきながら呟いた。

「…………え? 橘龍介先生がそーすけさん?」

一瞬何を言われているのか理解できなかった。

「ということは、そーすけさんが橘先生ってことで……え!? 本当ですか!?」
「うん、本当だよ」

オロオロしている蒼を余所に、立花は静かに答えた。

「え! どうして言ってくれなかったんですか!? あ、でも僕が橘先生好き好きって言ってたからですかね?」
「うーん、単に言うタイミングがなかっただけかな」
「でも、本当信じられません。だって、今まで橘先生に見てもらって、アドバイスもらってたってことですよね?
あー、もう頭が追いつきませんよ!」

少し落ち着いてきたが、次は頭を整理し始めたのだろうか。
考えこんでいる蒼を見ながら、立花は坦々と応えた。

「うん、そうだよね。でも俺は橘龍介である前に、立花蒼介だからさ」
「それはそうですよ! そーすけさんはそーすけさんです! でも橘先生でもあるんですよね。
今までそーすけさんとして接してきたから、急にそんなこと言われても頭が切り替わらなくて」
「……………… 。」
 

百面相をしている蒼を無言で見つめていた立花は、しばらくしてようやく口を開いた。

「何かいろいろ悩ませちゃったみたいだね、ごめん。でも、ありがとう。
今まで通りそーすけさんとして接してくれると嬉しいな」
「え!? いいんですか? 僕は知った以上は橘先生って呼んだほうがいいのかと思って……それから、今までのことをいろいろ考えてました」

橘先生といえば有名作家で、雲の上の人。
そんな人を「そーすけさん」なんて気軽に呼んでいいものかと悩んでいた蒼は拍子抜けした。

「そんなこと気にしなくていいよ。俺は俺なんだから。さ、早く蒼くんの話が読みたいしダイニングに行こ」
「うーん、そーすけさんがそう言うなら……」

未だ考え込みながら、渋々といった表情で蒼は立花の後に続いた。
 
 

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